母親の役割 vs. 女性の感情:「全てを捨てて彼に行きたい」既婚者の自己認識のゆらぎ

葛藤と意思決定

既婚者で子を持つ相談者と、独身(バツ2、子あり)の彼との婚外恋愛に関する相談です。家庭への気持ちよりも彼への愛情が強くなった相談者の感情と、彼自身の抱える家族問題や病状が交錯し、関係の行く末に悩んでいます。本記事では、母親という「役割」と女性としての「感情」が衝突する心理的な葛藤と、責任感の強い彼の本音について分析します。


【相談者】まき

私33歳、既婚子ありです。
彼40歳、独身(バツ2)で、初婚時の子供二人を引き取り育てています。

出会った時は、夫と夫婦関係が悪く寂しい思いをしていました。寂しさを埋めるために、軽い気持ちで付き合ってましたが、付き合いが親密になり、彼から好きと言われ、私もどんどん大好きになりました。

彼の気持ちがわかりません。直感で、好きでいてくれると感じますが、私の夫には嫉妬心と、申し訳ないと思っています。

彼は今、子供が高校生で不登校・中退するかでもめている最中。そして自身も病気続きです。

先週、彼の本音を聞くことができました。「ごめんなぁー、まきちゃんに何もしてあげれなくって。俺がまきちゃんと旦那さんの邪魔してるんじゃないかなぁーって思って」と。

私が「友達を紹介するね」と言ったら、「まきが焼きもち妬くから、まきからの紹介は受けない」とはっきり言われました。

以前は子供が大切で家庭が大切でした。今は、全て捨てても彼に行きたい。
でも彼は、連れ子のこと、離婚が大変なこと、いろんなこと。幸せには出来ないって思ってるんだと思います。私もわかっています。

彼は、私のことをどうしたいのでしょうか? 体だけなのでしょうか?
客観的に意見を聞きたいです。


💬 読者からの見解と感情の衝突

読者からは、相談者の「全て捨てても彼に行きたい」という感情に対し、「母親としての責任」を問う厳しい意見が寄せられました。

「貴方の子供がこの文章を見たら、きっと…”しらんおっさんの子供の方が…大事なんだね?おかあさん?”」

「感情に流されることなく、今後のことを考えた方がよろしいかと…」

これに対し、相談者は「子供が、邪魔に感じる母親っているのでしょうか?」と、自分の感情を否定されたことへの反発を示しました。この衝突こそが、この相談の核となる「母親の役割」と「女性の感情」の深刻な乖離を示しています。

💡 運営者による洞察:彼が示す愛情と、責任の重さ

1. 彼の言葉に隠された愛情と決意

彼の発言は、単なる体だけの関係を望んでいる男性のものではありません。彼の言葉には、深い愛情と、それ以上の「責任感」が示されています。

  • 「邪魔してるんじゃないか」: 彼は、あなたの家庭を壊すことへの罪悪感と責任を感じています。
  • 「焼きもち妬くから紹介は受けない」: これは、あなたを唯一の特別な存在として見ている明確なサインであり、他の女性に目を向けるつもりがないという意思表示です。

彼は間違いなくあなたを好きですが、それ以上に「連れ子」「不登校問題」「病気」という重い現実を抱えています。彼は、その重荷がある状態であなたを「幸せにはできない」と自己評価しているため、踏み込むことを恐れています。彼の「幸せにはできない」という態度は、責任感の強い男性の精一杯の愛情表現であると言えます。

2. 相談者が直面する「役割からの逃避」

相談者の「以前は子供が大切で家庭が大切でした。今は、全て捨てても彼に行きたい」という気持ちは、読者から厳しく非難されましたが、これは心理学的に見ると「母親という役割からの逃避願望」として読み解くことができます。

  • 役割の疲弊: 夫との関係悪化や日常の寂しさから、母親という「役割」を演じることに疲弊しています。
  • 彼への理想化: 独身の彼は、「役割のない自分」「女性としての自分」を肯定してくれる、理想の逃避先です。彼を求める気持ちは、「母親ではない、一人の女性として認められたい」という自己肯定欲求の現れです。

相談者が反発した「子供が邪魔に感じる母親」という表現は極端ですが、「母親である自分」を置いて、「女性である自分」を優先したいという感情は、追い詰められた女性の心に生まれる現実的な葛藤です。

3. 次のステップ:冷静な自己評価

相談者がまずすべきことは、彼への気持ちを整理することではなく、「彼と一緒になった未来の自分」を客観的に想像することです。

  • 彼の現実の受け入れ: 彼は離婚しても、不登校の連れ子の父親であり、病気と闘う一人の人間です。相談者が「全てを捨てて」彼と一緒になったとしても、その先にあるのは「新しい家庭の、より複雑な問題」であり、理想化された「恋愛」ではありません。
  • 感情の確認: 彼の優しさに触れたいのか、それとも本当に彼の持つ「責任の重さ」を含めた全てを受け入れ、彼の連れ子の「継母」という役割を引き受けられるのか。この冷静な自己評価こそが、感情的な衝動(全てを捨てたい)から脱却し、正しい意思決定を行うための鍵となります。
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